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ダ**ー
best
best
B**I
トリロジー(3部作)になるそうです
「しあわせなひとりぼっち」と言えば「あー!あのひねくれじいさん!」を思い出す方も多いかと思います。ここに来てまた一段と人気が出ている作家さんです。内容は他の方が詳しく書かれているので割愛させて頂きます。412ページの半分弱を使って登場人物を深く深く掘り下げていきます。らせん階段。ではなく。さざ波のように寄せては引いてまた少し寄せて…なかなか話が進まないなぁ…と感じるかも知れません。タイトルに書いた通り「3部作」と考えるとこのペース配分なのかなとも思います。(続編"Us Against You"まで出ていて最終はいつになるのか未定のようです)ホッケーを知らなくても読めます。「さざ波方式」で繰返してれるので登場人物が多くても、あれ?誰だっけ?と迷う事はあまりないかと思います。そこまでクリフハンガーではないのでこれだけを読んで終わっても良し。続編は前回のおさらいから丁寧に入ります。何ならこれをすっ飛ばして2部からスタートもアリですが…やはり初めから読む方が楽しめます。読み進める内にお話に入り込み自分がベアタウンの住民/ご近所さんになった気分になります。あの憎めない「Oveのオヤジさん」とはまた一味違う作品です。
C**E
恐らく今後長く語り継がれる名作の予感
スウェーデンの田舎町ベアタウンを舞台に繰り広げられる人間ドラマ。他に娯楽もなく過疎化が進むこの町で絶対的な価値観を持つものは唯一アイスホッケーのみ。かつてNHLのプロ選手を輩出したこともあるこの町が、生き残り策として掲げたのがアイスホッケーチームを強化して町の名を売り、国が進めるアイスホッケーの強化施設をこの町に作ること。強化策は当たりジュニアという高校生以下のチームが全国大会で準決勝に進出という快挙。という特殊な町の雰囲気で事件が起きます。それは劇的な勝利を収めた準決勝後の祝賀パーティーで、チームの絶対的エースで、イケメンで、家も金持ちという町の女性たちの憧れの的である17歳が、その晩の一夜のお相手として大勢の候補者の中から選んであげた15歳の女性に、その段になってまさかの拒絶をされたことで逆上し、レイプした上に首を絞め殺そうというレイプ殺人未遂。誰にも事実を言えず悩み、病気と称して学校も休んでいた女の子が両親に真実を告げたのがようやく決勝戦の前日。すぐさま両親は「戦争」を決意し、警察に訴え、チームのエースは決勝戦に向かうバスの中から警察に引っ張られ連行されて試合には出れないという非常事態に。本来被害者であるはずの15歳の女性とその家族は、町の輝ける未来の象徴に泥を塗ったということで、売女、裏切り者というレッテルを張られまさに四面楚歌になり、両親、本人の予想通り壮絶な戦争が始まります。ここから大人、子供例外なくそれぞれの生き方、考え方が問われる事態となり、それぞれがそれぞれの異なる背景からそれぞれの正解を探し苦しみながら前へと進んでいきます。ここには絶対的な善も悪もなく、客観的な正解も不正解もありません。例えばレイプされた15歳の女の子を密かに慕っていた同じ15歳の少年は、同年代で唯一高校生チームに選ばれるなど将来有望な選手ですが、この男の子がレイプ場面のただ一人の目撃者で、レイプ犯の父親に金で買収されそうになります。背景には早くに父を亡くし、貧しいながらも才能のある我が子にアイスホッケーをさせるために体に負担がかかる清掃という肉体労働に従事する母の姿を子供がずっと見ていたという状況があり、より良い環境でアイスホッケーを続けられ、なおかつ母にももっと楽な仕事を提供できるかもしれないというこの買収に全く心が動かないなんて言いきれる人はまずいないでしょう。この15歳の少年が出した決断とその結果、そして母が子の決断をどう受け入れるかといったあたりの展開は非常に絶妙で多くの事を考えさせられます。この親子はほんの一例で、他にも考えさせられる様々な状況が設定されていて最後まで興味深く読めました。状況を日本に置き換えて競技を野球かサッカーにすれば、おそらくこれは十分に誰にでも当てはまる物語になるでしょう。多くの人にお勧めできる傑作でした。
渡**里
アイスホッケーが誇りのスウェーデンの田舎町で起きた事件が浮き彫りにする人間模様
Fredrik BachmanのA Man Called Oveは、皮肉なユーモアの風刺小説かと思って読んでいたら人情ものになり、思わず目に涙を浮かべてしまった。そういうタイプの著者だと思っていたので、Beartownを読んで驚いた。欠陥がある人間への暖かい視線は共通しているが、A Man Called Oveとはまったく異なる。舞台は、繁栄に取り残されたスウェーデンの田舎町Beartown(ベアタウン)。ここの住民にとって、アイスホッケーと強いジュニア・チーム(20歳以下の部門)は何よりも重要な存在だ。この町のジュニア・チームで活躍すれば、北アメリカのNHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)からスカウトされてプロの選手になる可能性がある。貧乏な少年にとっては、アイスホッケーは貧しい町から抜け出す唯一のチケットだ。そして、ほかに何も誇れるものがない住民にとって、アイスホッケーは町のアイデンティティであり、宗教でもある。ベアタウンでは、予備軍からジュニア・チームに選抜された少年たちは神に近い存在なのだ。強くても、貧乏な町のホッケーチームには金がない。そこで、チームの経営者や出資者は、ホッケーの専門学校(アカデミー)の誘致を狙っていた。アカデミーができれば、企業からの出資も得られるし、ビジネスも増える。そのためには、今年のジュニア・チームが優勝するのは必至だった。そんな町で、住民を真っ二つに分ける事件がおきた。(ネタバレになるので詳しくは書かないが)ホッケーの花形選手によるレイプ事件だ。町の人々は、加害者ではなく被害者を責め、被害者の少女と家族は徹底的なハラスメントにあう。その中で、勇気を持って立ち上がったヒーローとヒロインは、意外な人々だった。Bachmanの『Beartown』を読んでいると、スウェーデンの田舎町とアイスホッケーが鮮やかに目に浮かんでくる。住民たちも、本当に存在しないのが信じられないくらい鮮明だ。登場人物が多くて、最初は混乱するかもしれないが、いずれの人物も味わい深い。出て来るシーンが少なくても、誰ひとりとして「脇役」ではない。彼らがページに現れないときの生活まで見えてくる。中心人物は被害者の少女とその家族だが、それ以外の人々も、とてもリアルで魅力的だ。ジュニアチームのBenjiと(イスラム教の移民の子孫と思われる)Amatの二人は、誰にも見せたくない弱みを持ちながらも、集団に巻かれるのを拒む強さを持っている。周囲が求める「男らしさ」と、真の「男らしさ」の違いを見せてくれる。ゴールキーパーだった夫が亡くなった後、外に出なくなった年配のバーテンダーのRamonaも魅力的だ。クレイジーな女だと思われているが、マッチョな男らしさを誇るアイスホッケーの元選手らが、彼女にはつい本音を漏らす。町の男たちの「心理セラピスト」になっているRamonaが、じつはBeartownの本当のヒロインなのかもしれない。この小説を読むと、著者がまだ30代とは信じられないほど人間をよく理解している作家だとわかる。これからどんな作品を書いていくのか、とても楽しみだ。
B**
状態がものすごく悪い!
あまりに汚いので、読む気になりません。とても楽しみにしていたのに残念です。Too dirty! Don’t feel like reading.
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